とかちECOプロジェクトの始まり
 
それは1台のディーゼルバン から…
  

 十勝スピードウエイのある 北海道十勝は、北海道の日高山脈の東側  農業を中心とした大きな平野が広がったところにあります。 北海道といえば大きな自然がひろがり、森の緑と空の青さにあふれています。  ところが、この北海道でも、最近の地球規模の天候の変化により、冬の雪が降る時期が微妙にずれてきたり、夏に 35℃以上という 北海道人には耐え難い暑さを、体験できるようになりました。

 これはおかしい…  誰もがあからさまに体験した感覚です。
 これをきっかけに、環境悪化に対する危惧が生まれ、まずは私たちの一番身近で、且つ無くてはならない生活道具 自動車から、何かの行動を起こそうという、ごく自然なイメージが生まれました。

 十勝スピードウエイでは、2003年から 燃費で競うイベント 「十勝エコECO ワンタンGrandprix」という遊びを開催しています。 これは私たちが普段乗れる普通の自動車を使い、燃料満タンからスタート。 無給油でサーキットを5時間走り、その距離と燃費を競います。 このイベントに、普段使用しているガソリン(化石燃料)以外の、新しいも技術で参加してみたい という興味がわきあがりました。

 そんな時、サーキットの地元 十勝・更別村に、有)更別企業という会社が、バイオディーゼル燃料(BDF)を生産・活用していることを知り、早速コンタクトを取りました。 更別企業が生産するBDFは、回収された使用済てんぷら油(植物油)を回収し、不純物を取り除いた上で ディーゼルエンジン用のBDFに精製しているもので、主に自社のトラックや地元更別村のダンプなどに使用されていたものを分けて頂きました。

 初めて手にするBDFはてんぷら油の匂いで、これで車が動くことに不安を覚えつつ、サーキットで、エンジン全開で、化石燃料以外の燃料を使うことに期待感が強まります。 ところが最近の日本ではディーゼルエンジンの乗用車 しかもマニュアル車となると選択肢はほとんど無く、ようやく入手したのは 廃車寸前の 三菱リベロ ディーゼルバン です。

 この車に、BDF100% をごく普通に燃料タンクに入れ、エンジンをかけると…  普通にかかりました
 マフラーからは黒煙は一切無く、てんぷら油の匂いだけ!  いままで、ディーゼル車といえば、臭い、黒煙モクモク、遅い というイメージしかなかったのですが、BDFバンは、てんぷら臭いのはさておき、黒煙ゼロ、トルクがありスムーズに吹け上がるエンジンに変わっていたのです。これには驚きでした!。燃料だけでディーゼル車のイメージは180度変わってしまったのです。

 最初は、未知なる燃料体験 というものに興味をそそられたのですが、実は BDFにはいろいろな背景がありました。
  1)BDFは植物油から精製されているため、化石燃料「石油」ではないこと
  2)植物油とは、なたね、ひまわり、紅ばな など日本ではてんぷら油として販売されているもので、使用済となると
   本来捨てるゴミを利用していること
  3)植物は、育つ過程で光合成を行うので、空気中の二酸化炭素を吸収した原料で、植物油が作られていること
   その植物油を燃料として使用した場合二酸化炭素が出るが、これは育つ過程で吸収した量とほぼ同等であるので
   これを「カーボンニュートラル」ということ

 この体験が元になり、一般的に堅苦しいことが先行してしまう 新燃料・バイオ燃料も、楽しく使えば全く抵抗感無く使用でき、且つ自動車の環境汚染に対してほんの僅かですが貢献できるかもしれない、 自動車の実験が出来るサーキットだからこそ率先して体験していこう としたのが、とかちECOプロジェクトの始まりです。

 少しでも多くに人に、バイオ燃料は特別なものではなく誰もが普通に使えるものなんだ ということを訴求して、自然に自動車の二酸化炭素排出量を減らせていければ、うれしいと思っています。
  村岡克己
  インターランド梶@十勝スピードウエイ