Super-Taikyu Series Information [スーパー耐久シリーズ情報]
 
スーパー耐久シリーズとは

スーパー耐久シリーズ2004
1990年のプレ・シーズンを経て、1991年から発足した国内唯一の耐久戦のみによる全国ラウンドシリーズ。
 
当初はJAF・N1規定の車両により競われており、改造範囲が厳しく制限されているマシンが長丁場を戦うことが大きな特徴だった。
その後、エアロパーツ装着の解禁や、より改造範囲の広いグループNプラスクラス設立などを経て、現在に至る。
 
参戦マシンの改造範囲も独自の規則運用によってJAF・N1規定よりは幅が広げられた結果、シリーズ名称も発足当初の『N1耐久ラウンドシリーズ』から、『スーパーN1耐久シリーズ』の時代を経て、現在の『スーパー耐久シリーズ』へと至っている。
 
GT選手権やフォーミュラ・ニッポンと異なり、全日本選手権のタイトルはかけられていない。しかし、近年特に参加車両が増加傾向を見せており、独自の盛り上がりを見せている。
 
今季は全8戦で開催されるスーパー耐久シリーズ2004、十勝24時間レースは第5戦にあたる。今回で11回目を数えるに至った24時間レースだが、シリーズにおける重要性は他の大会よりも高いと言っても過言ではない。なぜなら、各クラスで優勝から10位までに与えられるシリーズポイントが、この十勝に限っては他の7大会の1.5倍となる。
過去にも結果的に振り返った時に、十勝24時間レースでの勝敗がシリーズの行方を大きく左右したこともある。
では、今季ここまでシリーズがどのような展開を見せているかを、クラスごとに振り返ってみよう。
 
今シーズンの展開・クラス1

クラス1
スーパー耐久シリーズは5つのクラスで競われている。
 
クラス1は排気量3501cc以上の車両。なお、ここでいう排気量は通常のエンジン総排気量のことだが、ターボなど過給器付きのエンジンについては1.5倍された数字とされる。
 
クラス1は長らく日産スカイラインGT-Rのワンメイク状態が続いていたが、同車の生産中止に伴い、新たに参戦が認められたポルシェの独壇場となった。
 
今季はワンメイク状態となり、特に注目はタイヤメーカーワークスの3台。ADVANカラーの2台とFALKENカラーの1台は、なんと今季前半戦を終えて全くの同ポイントでシリーズ争いトップに並んだ。
こうなると通常の1.5倍のポイントが与えられる24時間の重要性が一層高まることになり、戦いに賭ける意気込みも各チーム相当なものだろう。
 
今シーズンの展開・クラス2

クラス2
クラス2は排気量2001cc以上3500cc以下の4輪駆動車が属するクラス。車種で言えば三菱ランサーエボリューションとスバルインプレッサが激突するクラスとなっている。
 
ラリーフィールドでも市販車の世界でも宿命のライバルとなる両車、その戦いは近年ヒートアップの様相を見せている。
特に一昨年、遂にインプレッサがシリーズタイトルを獲得したことで、ランサー陣営が激しい反転攻勢を展開。今季はランサーがエボリューションMRに進化、アルミルーフや大径ブレーキを採用すると、インプレッサも先のマイナーチェンジで大径ブレーキを採用。
 
今季ここまではランサー陣営が表彰台の真ん中を独占し続けているが、インプレッサの逆襲なるか、そこが注目である。また、このクラスは24時間レースではトラブルに見舞われる車両が少なくないので、なかなか勝負の行方を予想するのが難しいのも特徴のひとつだ。
 
今シーズンの展開・クラス3

クラス3
クラス3は排気量2001cc以上3500cc以下の2輪駆動車のクラス。特徴として、個性的な車種が競い合っていることがみどころとなる。フェアレディZ、NSX、BMW M3、RX-7と、国内外を代表するスポーツモデルが鎬を削っており、ある意味最もレースマシンらしいシルエットの競演と言えるだろう。
 
今季ここまではフェアレディZが圧倒的な強さを見せている。今年の十勝は昨年参戦して得られたデータをフィードバックさせて、大幅なレベルアップを果たして24時間に挑むことになる。
 
こうなると、果たしてこの十勝で「ストップ・ザ・Z」を誰かが叶えられるのかが注目される。その筆頭はNSX。十勝ではアンラッキーなトラブルに見舞われるケースが多くなかなか優勝を掴めていないだけに、今年こそはの思いも強いはずだ。
 
また、昨年の十勝を制したBMW M3は今季第2戦から現行モデルにスイッチされており、24時間での戦闘力は未知数。しかし、ここまで旧モデル同様にコンスタントラップの速さと新車導入直後ながら安定した走りを見せており、二連覇の可能性も高いように見える。
 
今シーズンの展開・クラス4

クラス4
ある意味、もっともN1耐久時代からの雰囲気を残しているのが、このクラス4。排気量2000cc以下の車両が属し、車種的にはホンダS2000、インテグラとなる。
 
N1耐久時代からの"雰囲気"とは、純粋にプライベーターたちがレースを楽しみながら参戦しているということ。
良い意味で手作りのチームが大半を占め、長丁場の24時間をチームスタッフ全員が楽しみながら参戦しているというイメージが強い。
 
とは言ってもレースは真剣そのもの。そして24時間の場合は思わぬ下克上の主役になるのが、このクラス4なのだ。
過去、GT-R勢を抑えて総合優勝したシビックがあり、また総合成績でシングルの順位を奪取したマシンもあった。
 
今季ここまでは2勝を飾ったチームはあるものの、まだタイトル争いで独走態勢を築いたという状況ではない。それだけに追う者にとっても、もちろん追われる者にとってもポイントが大きい十勝ラウンドは重要な一戦となる。
 
今シーズンの展開・グループNプラスクラス

グループNプラスクラス
スーパー耐久シリーズの中で独自色の強いクラスがグループNプラスクラス。
排気量2000cc以下の4ドア車両によるクラスで、このクラスだけは他のクラスよりも改造出来る範囲が広く設定されている。
 
車種的にはアルテッツァが主流だが、孤軍奮闘しているアコードの存在も見逃せない。
 
このクラスは最近は若手レーサー育成の場という側面も持っており、アルテッツァ勢はベテランと若手のコンビネーションで参戦しているパターンが多い。
 
また、今回の十勝には注目のドライバーがスーパー耐久に初参戦する。F1パイロットの血を受け継ぐ中嶋一貴選手だ。クラスは異なるものの、星野一樹選手や柳田真孝、更に言えば砂子塾長選手まで、二世ドライバーたちの活躍も見どころのひとつになる。

十勝24時間では、これらスーパー耐久シリーズの5つのクラスのほか、全日本GT選手権参戦車両も混走できる。しかし、今年は24時間レースに先立って十勝で初めてGT選手権公式戦が開催されたこともあって、24時間レースにGT車両の参戦はなかった。
 
また、独自のクラスとして設定されているのがプロダクションクラス。こちらはアマチュアレーサーが安価な参戦コストで24時間レースを楽しめるように設けられたクラスで、耐久レース車両が備えている大容量の安全燃料タンクを装着していないスプリントレース仕様のマシンで参戦できる。
 
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